お客様から頂いた、感動秘話を紹介します。



【1文字のストーリー】


初めてシーリングスタンプを買わせていただいたのが昨年の2021年ですね。
どうも字が下手だったので、今まで手紙自体は好きだけれど書くことはありませんでした。
ふと思い立ち、結婚の時に妻に手紙を書いたところ、いたく喜んでくれて手紙を書くようになりました。
その後父の日に実父と義父に手紙を送り、これまた喜んでくれました。
 
万年筆や便箋を揃えていく中で、下手だけれど自分だけの字で、同じものが2つとない封をすればそれは本当にこの世界で1つだけの手紙になると思いシーリングスタンプについて調べ、昨年の購入に至ります。
 
父は〇〇(地名)に、私は〇〇(地名)に住んでおりまして(すぐには会えない距離です)
「シーリングスタンプってのを買ったから、それで封をして手紙を送る」と伝え、
父曰く我が家の家紋らしい "違い鷹の羽" で封をしました。
父は家紋など自身の歴史にとても興味が強かったのでそれはそれは喜び
「概ねシュミとは他人から見るとケッタイなものだと思います」と
冗談交じりの冒頭から始まる手紙を返してきたのが印象的でした。
 
そんな書き出しの手紙を読み進めていく内に、子どもの頃から見てきた
「父の書く『快』」という字が何とも良く思え
「父さんの書く『快』という字をスタンプにしたいから、
同封する紙の枠の中に書いてほしい」と伝えたところ
「そいつは嬉しいが、もっとキレイな字で作ったほうがいいんじゃないか」とのこと。
「キレイな字はパソコンで調べればいくらでも出るが、父さんが書く『快』の字はいくら調べても出てこない。」
という話をして「快」の字を書いてもらったのが昨年の8月頃でしょうか。
万年筆で書いたさらっと書いた『快』の字が好きだったのに、頑張って万年筆で字をなぞって太くしていました。
後日それとなく聞いたところ、20回ほど書き直したようです。
 
書いてもらったものの、オリジナルスタンプの作成に少し値段が張ること、
注文しようと思えばいつでもできることから後回しにしていました。
ところが今年に入ってから父の体調が悪くなり、コロナ禍ではあるが〇〇に行くか、
しかし仕事や家庭のこともある、などと考えているうちに他界。
あっという間でした。

父の遺品を整理していると煎餅の空き缶が見つかり、
私が中学生の修学旅行で買った大仏の土産と一緒に
父の日に送った家紋のシーリングスタンプ付きの封筒と、
何度も書き直してボツになった30枚ほどのオリジナルスタンプ作成用紙が出てきました。
 
それを見たとたん、取り返しのつかないことをしてしまったと、
いろいろと後回しにしてしまったことを後悔しました。
入院してからでも顔を見にくるべきだったこと
いつものさらっと書いた字のほうがよかったんだと素直に言えばよかったこと
父の書いてくれた『快』スタンプを押した手紙を1通でも書くべきだったこと
その手紙がこの空き缶に入っていてほしかったこと
もう何一つ叶わないと考えると、ままならないものだなと思います。
 
書いてもらった当時はもっと普段の字がいいなと思いましたが、
改めて見ると字をなぞって太くするという少しズレた父の気合の入れ方も含めこの上ない字です。
書き直した枚数を少なく言っていたのも父らしさが滲んでいます。
そんな父の書いてくれた自分の名前のスタンプが残せたことは重畳でした。
 
亡くなった父へ 父の日に手紙を書いて『快』スタンプを押すぞと、今回の作成依頼と相成りました。
修正などをせず、書いたままの字をスタンプにしてくださって本当にありがとうございます。
 

 

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